今回はBlenderで3Dモデルの手の部分を制作した過程をまとめてみました。
Blenderもモデリングもざっくりとは分かるけれど五本指の手をきちんと作るのは初めてという状況での試行錯誤の過程です…!
実際の作業風景を動画にしてみましたが、要点はこちらの記事にもまとめておきます。
もくじ
動画
手の仕様
Unity用のモデルの手で五本指です。
それぞれの指の断面を6辺、腕へ接続する手首の部分は12辺にすることにしました。
面の流れは基本的に四角面で作るようにしつつ、三角面を使わないとゴチャついてしまいそうなところには三角面を使います。
自分の絵柄に合わせて少し頭身低めのキャラ向けにデフォルメして作りますが、「握りこぶしのポーズをさせてもあまり不自然にならないくらい」を目標にします。
指を作る
断面が六角形なので、角度が2通り考えられます。
①上下を水平にする

②左右を垂直にする

試しに両方作って動かしてみたところ、①は指を折り曲げる時の関節周りが自然な感じで②は指の付け根と手の甲をつなぐ部分が自然な感じになる気がしました。
どっちがいいのか悩んでユニティちゃんのモデルで確認してみたところ、指部分が①になっていて第三関節で三角面を使って②に入れ替わるようになっていたので僕も同じ方法にしてみました。
親指を作る
親指の付け根の動く範囲が大きいので、少し多めに分割を入れておくのがよさそうです。

また親指は他の指が地面に対して水平な時に斜めになるので要注意です。
(こうしないと親指と人差し指の腹をくっつけるポーズが難しくなります)


親指が斜めになっているせいで、付け根のつなぎ方が難しいです。
僕は面の流れなどがちょっと難しい気がしたので、60度(六角形の回転1つ分)ひねった状態で接続しました。
とりあえず動きには問題なさそうかな…という感じです。
かなり難しいと思ったのが親指の手のひら側付け根の肉です。
ボーンを回転させるだけで肉が押されて盛り上がるような表現をするのは不可能です…。
また自分の手を動かして観察すると、単純に筋肉が骨に巻き付いているのじゃなく別の場所につながる箇所があって引っ張られるような動きをしています。
また関節の支点が1つではないような気もします…。

ボーンの構造などを複雑に作り込めばそれなりにリアルな動きを作れるのかもしれませんが、ゲーム用で遠景で見ることが多いモデルなのでとりあえずは何もせずそのままにすることにしました。
ボーンの名前
UnityのHumanoidリグはボーンを決まった名前にしておけば自動で読み込んでくれます。
手と指のボーンの名前はこんな感じです。
他のボーンと同様に、右手は「.R」左手は「.L」を最後につけます。
第三関節(根本) Proximal | 第二関節(中央) Intermediate | 第一関節(先端) Distal | |
親指 Thumb | ThumbProximal | ThumbIntermediate | ThumbDistal |
人差し指 Index | IndexProximal | IndexIntermediate | IndexDistal |
中指 Middle | MiddleProximal | MiddleIntermediate | MiddleDistal |
薬指 Ring | RingProximal | RingIntermediate | RingDistal |
小指 Little | LittleProximal | LittleIntermediate | LittleDistal |
仕上がり
当初の目的だった握りこぶしがこんな感じです。




手をデフォルメして指は全体的に短くし、第一関節(先端)を長く第三関節を短くしています。
頭身低めの絵柄向けに先端を強調したデフォルメです。
握りこぶしを指の第三関節側から見ると不自然な長さですが、デフォルメの影響なので妥協です…。
自分の絵柄としては割とイメージ通りに出来ているのでそれなりに満足です。
とりあえず一番難しそう&初挑戦だった手がやっと完成したので、次からはモデルの身体の制作に入れます…!
身体は前のプロジェクトで制作したことがあって反省点もいろいろあるので頑張ります!
その他の3Dモデル制作の記事はこちら↓