モデルのプロポーションを整える【Blender】

UnityでのTPSゲーム制作の続きです。
3Dモデルを新しく作り直したいと考えていますが、モデルのプロポーションに関して「色んなポーズに動かしてまずバランスだけ最初に決めておきたい」と思っています。
都合の良いことに前のプロジェクト用に作ったボーン付きのモデルがあるので、今回はこれをプロポーション決めに活用していこうと思います。

今回はBlenderのポーズモードを使って3Dモデルのレストポーズ(Tスタンス)のプロポーションをざっくり変更する方法についてまとめてみました。

変更したいモデル

今回使いたいのがこちらのモデルです。ボーンが入ってウェイト塗りは終わっている状態のものです。

まず一番の問題ですが、前のプロジェクトは1m×1mのブロック構造になっていたのでキャラの身長も1mくらいになっています。これを現実世界の等倍で150cmくらいにしたいです。
またこのモデルは11歳設定で頭身が低めになっているのを今回14歳設定に変更し、全体的なデフォルメの雰囲気も変えて少しキリッとした感じにしたいです。
また手指が分かれた構造になっていないのをしっかり指付きの手にしたいので、グーで作っていた手を少し大きくする必要があります。

というわけで、Blenderでボーン付きのモデルがある時にプロポーションをざっくりと変える方法をやっていこうと思います。
※この方法ではウェイトに従って各頂点を伸縮するので、細かくサイズ決めしているパーツがある時などにはあまり向かないかもしれないです!制作初期のざっくりしたサイズ決めに向いているかなと思います。

ポーズモードで拡縮

まずポーズが指定されていた場合はクリアしてTスタンスに戻します。
そしてポーズモードのまま、各ボーンを選択してスケール変更でサイズを調整していきます。

なお変形するボーンの子以下のボーンはすべて影響を受けるので注意が必要です。
全体のサイズを調整したければHipボーンを拡縮することになります。
また途中の一部分のボーンだけ拡縮したい場合は、拡縮率を覚えておいて次のボーンを1/拡縮率のサイズで拡縮します。
(例えばUpperArmボーンだけを長くしたい場合はUpperArmを1.1倍・LowerArmを1 / 1.1 = 0.909倍にするみたいな感じです)
これには拡縮時に画面左上に表示されるスケールを見ておくか、数値指定で拡縮するのが簡単かなと…。

頭身を直しました。3.5頭身くらいだったのを4頭身くらいに上げています。
(※胴体の脇や腰周りにボーンがたくさん入っているのは自動ウェイト塗り用の補助ボーンです)

シルエットも全体的に直しました。下半身は幅を狭めて縦に伸長させ、上半身はウエスト周りを絞って肩幅を少し広げています。自分の中で11歳を14歳に上げたイメージです。
手もとりあえずサイズ決め用の指付きのものを仮置きしています。

14歳設定とはいえゲームなので、バランスが悪くならない範囲で頭は大きめに確保したいと思っています。
(全身入る構図で画面を動かすことが大半なので、キャラの印象を決めるパーツである顔が映る際にはしっかり見せたい)

腕の比率決め

手を横に伸ばした状態では腕の長さを決めるのが難しいので、僕は一旦ポーズモードの回転で回転させてみながら決めています。
(比率の変更も同じポーズモードで行っているので、ポーズをクリアする時は回転だけクリアするように注意です!)

腕の比率で個人的に意識しているのは、

  • 手を下ろした時に手首の関節が股間の一番下より少し上くらい
  • 上腕と前腕の比率は手を脇につけて一番深く曲げた時に前腕がぎりぎり水平にならないくらい

という感じです。(ただしこれはあまりデフォルメのない人間の比率です)

デフォルメして手を大きくしているので、立ち姿のプロポーションを優先して腕を短めにするのか動かした時のプロポーションを優先して腕を短くしないでおくかは悩みどころです。
(UnityのHumanoidのアニメーションはボーンの伸縮表現ができないので要注意です)

脚の比率決め

脚も曲げてみないと長さの調整は難しいです。
まずこのモデルは膝周りに何の工夫もしていないので膝を曲げると足が短く見えてしまうのですが、そこは目をつぶるとして…。

個人的な目安は、

  • 良い感じの正座ができるかどうか
  • 正座した時にかかとがお尻から出ないくらい

かなと思っています。

このモデルは足をかなりデフォルメして大きくしているので、そこも含めるとかなり難しい部分です。プロポーションの好みと作りたい動きの間で検討して決めるとよさそうです。

変更したプロポーションを固定

サイズ変更が終わったら、このポーズをTスタンスとして固定する処理をします。

まずサイズ変更をする際にボーンが回転されていると回転も固定されてしまうので、ポーズモードでボーンを全部選択してトランスフォームの回転だけクリアしておきます。
次にオブジェクトモードでモデルのメッシュを選択し、モディファイアにあるArmatureモディファイアを複製します。
(ここでボーンがずれますが大丈夫です)

次に、複製した方のArmatureモディファイアを適用します。

ポーズモードに変更してボーンを全部選択し、「ポーズ」→「適用」→「レストポーズとして適用」を実行します。

これでレストポーズ(Tスタンス)のサイズと比率が変わりました。

後ろのボックスが高さ1.5mです。良い感じになりました!

まとめ

ポーズモードでの変形をレストポーズに反映させる方法は色んな場面で使えるので覚えておくととても便利です!
これでモデルを作る準備が出来たので、次の記事からは手を作る作業を始めようかなと思っています。
手の基礎が完成してボーンを入れられればモーション制作も進められるようになるので頑張って進めたいです…!

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