図形を生成するノードはShapeノード・Polygonノード・Starノードなどがあります。
ノイズなどのノードと比べると全体的に使い方が特徴的かなと思うので調べてみました。この記事ではまずShapeノードについて見ていきます。
もくじ
Shapeノードとは
グレースケールで基本的な図形を出力することができるノードです。
正方形・円盤・放物面・ベル・ガウス・とげ・ピラミッド・レンガ・グラデーション・波・ハーフベル・うね付きベル・三日月・カプセル・円錐・半球…
「何なんだそれ」という名前のものが割と多いです。しかもぱっと見た感じ「サイズ以外ほぼ同じでは?」って思うものもいくつかあります。
僕も何とか理解しようと思って、海外にはベルっていう図形用語があるのか…?などと随分調べましたがそれっぽいものは見つからなかったです。
色々やっていて思ったのが、多分ハイトマップにした時の形状が鐘の形に似ているからベルなのかな?…と。
見直してみると、ハイトマップにすることを想定して作られていそうなものがいくつかあります。
このノード上ではタイリングもできるので(Tile Generatorほど細かい指定はできませんが)、一定の間隔で凹みやネジ山があるテクスチャを作ることもできそうです。
今回は、Cross Sectionノードをかけたもの(ハイトマップにした時の断面図)を付けてまとめてみようと思います。
パターン一覧
各Shapeのサイズはそれぞれ見やすそうなものに変えているので、少しずつ違います!
正方形(Square)
普通に正方形です。
ふちが全然ないのでハイトマップとしてはちょっと使いにくそうです。2Dの図形として使うことが多そうです。

出力結果

ハイトマップ断面
円盤(Disc)
こちらも普通の円です。正方形と同様で、2Dの図形として使うことが一番多いんじゃないかと思います。

出力結果

ハイトマップ断面
放物面(Paraboloid)
これはハイトマップの断面が放物線になっているようです。数学的な使い方が出来るんでしょうか…?

出力結果

ハイトマップ断面
ベル(Bell)
ハイトマップにした時にふちが広がっています。滑らかに平面とつながるようになっているみたいですね。
出力結果で見てもふちの周囲が滑らかで使いやすそうです。

出力結果

ハイトマップ断面
ガウス(Gaussian)
いわゆる「ガウスぼかし」の計算なんじゃないかと思います。中央部分がベルよりはシャープな感じです。

出力結果

ハイトマップ断面
とげ(Thorn)
出力結果の方でも中央部分が突出しているのが分かります。根元は滑らかにつながっていてバラのとげっていう感じです。

出力結果

ハイトマップ断面
ピラミッド(Pyramid)
どこからどう見てもピラミッドです。ハイトマップとしてはメカ系の装飾とかパンク系衣装の飾りとかに使えそうです。
2Dで色々な柄のベースにするのにも使えそうです。

出力結果

ハイトマップ断面
レンガ(Brick)
Pattern Specificという専用のパラメーターがあり、ふちにぼかしをかけることができます。
パラメーターは一つだけで他の設定はできませんが、ハイトマップで簡単にレンガっぽい雰囲気が出せます。

出力結果

ハイトマップ断面
グラデーション(Gradation)
僕には用途があまり分からないものの一つです。
グラデーションのノードは他に色々あるのにあえてこれを使うのってどういう場面なんでしょう…?
Pattern Specificでグラデーションの濃さを変えることができます。

出力結果

ハイトマップ断面
波(Waves)
初期状態はロールパンみたいですが、Pattern Specificで波の本数を増やすと何かに使えそうな気がします。
周囲が丸くなっているのは使いやすいのかそうじゃないのか…。

出力結果

ハイトマップ断面
ハーフベル(Half Bell)
Pattern Specificでスパッと切り落とした状態の半円から歪んだ円まで指定することができます。
半円が描けるノードって珍しい気がしますが、このまま半円として使えるわけではないので悩みどころです。

出力結果

ハイトマップ断面
うね付きベル(Ridged Bell)
ベルが潰されたような形です。
潰されている方の断面を見るとシャープな傾斜ですが、潰されていない方向から見ると普通のベルとほぼ変わらないように見えます。

出力結果

ハイトマップ断面
三日月(Crescent)
僕の知っている三日月とは違います…。
Pattern Specificで欠け具合を指定できますが、これまた月とはかけ離れています。
ハイトマップ断面が全く意味をなさないので、Histogram Scanをかけたら月が浮かび上がるのかと思ったけど無意味でした。
鱗とか作るのに使うんでしょうか。

出力結果

Histogram Scan
カプセル(Capsule)
Pattern Specificで横幅を伸び縮みさせられます。縦幅があまり大きくならないのは少し残念ですが、色々と使えそうです。

出力結果

ハイトマップ断面
円錐(Cone)
ハイトマップの断面がピシッと直線になっていて色々と使いやすそうです。
メカもののハイトマップとかにもよさそうですし、線形グラデーションは多重の円を作る時に幅を決めやすいので便利そうです。

出力結果

ハイトマップ断面
半球(Hemisphere)
ハイトマップでネジ山とか凹みとかを作るのに便利そうです。丸い図形としてもふちの感じが他とは違うので、色々と活用することができそうです。

出力結果

ハイトマップ断面
Gradient Radialノード

円錐(Cone)と半球(Hemisphere)についてはGradient Radialというノードでも作ることができます。
Shapeとは違い、このノードの中で円の中心位置を変更することができます。ただし逆にタイリングはできないんですが…。
場合によってはこちらの方が便利になるかもしれないので、覚えておくと良いかもしれません。
3Dビューのハイトマップの高さ変更
Substance Designerの3Dビュー上でハイトマップの強弱を変更する方法です。デフォルトの設定では3Dビューのハイトマップはそんなに高さがないんですが、設定で高さを変えて表示させることができます。

ただし、Substance Designer上で見えるハイトマップがゲームエンジンやモデリングソフト等のシェーダーで再現できるかどうかはそちら依存なのでその点は要注意です…!
(例えばUnityのURPの場合、シルエットは再現されずに平面のままです)
変更方法は以下の通りです。
①3Dビューの「マテリアル」→「デフォルト」→「編集」

②プロパティウインドウで下の方にあるハイトマップのScaleとLevelの値を調整する

まとめ
2Dの模様・絵柄の元として使う方法とハイトマップの元として使う方法でパターンの向き不向きがありそうなので、どんなものがあるかざっと見ておくとよさそうです。
それにしても波・ハーフベル・うね付きベル・三日月あたりは何に使うんでしょう…?