ブレンド(Blend)ノードは2つのノードを1つに合成するノードです!
いろんな場面で使える便利なノードですが、使いこなすには合成の方法を理解しておく必要があります。この記事では合成結果をサンプル付きでまとめてみました。
もくじ
ブレンドノードとは

描画色(Foreground)と背景(Background)と不透明度(Opacity)の入力があるノードです。
グレースケールとカラーどちらも使えますが、背景(真ん中の黒丸付きスロット)の情報が優先されるので描画色は同じものに合わせる必要があります。
※この描画色のカラーモードは初期設定の自動変換をオンにしていても変換されないので、手でグレースケール変換かグラデーションマップを接続しないと駄目です。
名前から「2つのテクスチャを均等に混ぜ合わせる」みたいなイメージかなと思っていましたが、ちょっと違います。どちらかというとお絵描きソフトのレイヤーに近く、背景の上に描画色を重ねた結果が出力されます。
描画モード
プロパティの「描画モード」では、描画色の重ね方を指定します。
お絵描きソフトでレイヤーを2枚重ねた時の上のレイヤーの合成モードと考えると分かりやすいです。モードの名前もお絵描きソフトをよく使う人には馴染みのあるものが多いかと思います。
またプロパティの「不透明度」では描画色の不透明度を指定できます。こちらもお絵描きソフトで上のレイヤーのみ不透明度が指定できるイメージです。
なお、どの描画モードを選んでも背景の色や不透明度をこのノード上で変更することは出来ないです。
今回は、サンプル用にこんな感じの2枚を用意してみました。

描画色
※カエル以外の部分は透明

背景

コピー
描画色を何もせずそのまま背景の上に重ねます。描画色にアルファの情報がある場合、その部分は透過されて重なります。

2枚を合成する方法
描画モードをコピーにして不透明度を0.5に指定すればテクスチャ同士を半々に混ぜ合わせた結果になります。

追加(覆い焼きリニア)
覆い焼きリニア(Linear Dodge)って何だろう…? 加算じゃないのか…? って思ったのですが調べたら加算でした。
それぞれのRGBの色を最大1になるまで足し合わせます。
発光っぽい効果などに使えるかと思います。

減算
加算の逆で、最小0になるまで背景から描画色を引きます。
明るいor鮮やかな色に対して色相の変化がある影を落とすなどの効果に使えるかと思います。

乗算
0-1の値を取るRGBを掛け算するので、それぞれの値の小ささに応じて更に値が小さくなる=暗くなるという感じです。
影やシミっぽい模様を重ね合わせる時などに便利かなと思います。

サブを追加
描画色の各ピクセルの色が0.5を超えていたら背景に加算し、0.5を超えていなかったら減算するとのことです。
「各ピクセルの色」というのがはっきり分からなかったんですが、RGBそれぞれについて個別に判定しているような気がします。
使い方としてはハイライトと陰影が両方含まれるテクスチャを背景に反映させる等でしょうか…?

最大(明)
描画色と背景の明るい方の値になります。
このモードもRGBそれぞれ個別に計算されるようです。
グレースケールの画像でハイライトやマスクを合成するのなどに使えるかと思います。

最小(暗)
描画色と背景の暗い方の値になります。
最大(明)の逆バージョンです。
グレースケールの画像で陰影を合成するのなどに使えるかと思います。

スイッチ
不透明度の値により背景と描画色の割合が変わります。
0の時は背景、1の時は描画色になります。
基本的にはコピーとそっくりですが、描画色にアルファがある時はアルファも割合で変化します。

除算
背景を描画色で割り算します。
描画色が白に近いほど背景そのままになり、濃い色になるほど逆転した明るい色になります。

オーバーレイ
描画色と背景のそれぞれのピクセルで低い方の値が0.5より低ければ乗算に、0.5より高ければスクリーンの効果になるとのことです。
これもRGBそれぞれ個別に算出されているっぽいです。

スクリーン
描画色と背景のそれぞれのピクセルにつき、反転→乗算→反転するとのことです。
これにより、乗算の真逆の効果になるようです。

ソフトライト
描画色の明るさが50%を越えていると少し明るくなり、越えていない場合は少し暗くなるとのことです。
明るさ(Blightness)とのことで、RGBの個々の値のことではないようです。
(グレースケール化した時の明るさ?)
不透明度を薄くしたコピーよりは背景になじむ感じでしょうか。
マスクの使い方
描画色にグレースケールの不透明度(Opacity)でマスクをかけることができます。不透明度の値が白に近いほど描画色、黒に近いほど背景で合成されます。

描画色

背景

不透明度
(マスク用グレースケール)

ブレンド
こんな感じで、2つのテクスチャをマスクの形で合成することができます。
まとめ
3Dモデル用のテクスチャであれば多用していくことになるノードですが、描画モードがたくさんあったりして全部覚えるのはちょっと大変です。
自分がよく使うもの・便利な場面から徐々に使いこなしていく必要がありそうです。